第17章古い炎と冷たい小道

ディクランは礼を失わぬ姿勢のまま報告した。「スターリング夫人、おっしゃるとおりです。トマス家は破産してから、こちらに住んでおります」

ヴィクトリアは鼻で笑った。「トマス家といえば、ブライトン・ハーバーではそれなりに名の通った家だったわ。ラニー・トマスがあの最低の投資話に盲目的に乗らなければ、あそこまで落ちぶれはしなかったでしょうに」

グレースはウィリアムの幼なじみで、初恋の相手だった。彼女のために、ウィリアムは向こう見ずな衝突の末、命を落としかけたことさえある。だが恋というものは移ろいやすい。ウィリアムの脚が麻痺した途端、グレースは即座に連絡を断った。

この経緯がある以上、グレースの帰還...

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